昔々。
時計の針を戻せたらと思っていた頃がありました。
でも、今は、今の自分が一番好きなので時計の針を戻したいとは思いません。
すべての経験があって、今の私がいます。
それを認めてからは、そう思わなくなったのです。
でも、小さい頃からSFが大好きだった私は、
タイムマシンやタイムトラベルには興味津々です。
では、どのくらい針を戻すのか。
私は迷いなく「江戸時代」へ向かいたいと思っています。
なぜか。それは生きている人たちに元気があった。
その中に自分を置いてみたいというそれだけの理由です。
生徒さんの中に、20代後半の男子がいて、
彼は時折歴史本を持って、レッスンを待っているのですが、
あるとき彼に聞きました。
「どの時代が好き?」
「昭和です」
「しょうーーーわーーー???」
平成生まれの彼にとって、昭和はすでに歴史だったことに驚き、
そして、どうして昭和が好きかという理由が、
私と同じ「昭和が一番、人が元気だったと思うんです」
今、時代は平成という元号に終わりを告げようとしていて、
この平成という時代は、私にはとても平成とは言えない、
色々なことがあった時代でした。
客観的に見てみると、昭和から平成にかけて、
人は大事なものを失くしてしまったかなと思っています。
それは何か。というと、ひと言で言えば「芯」かな。
人を織り成す「芯」一人一人の軸となるものであり、
それが「自分」として生きるための大切なものだね。
流行や大勢の意見に流されることなく
置いてきぼりになるんじゃないかという不安を持たずに
「これが私の意見です」と正々堂々と言える「軸」
私は今、これをみんなに持って欲しいと思っています。
誰かのせいにすることなく
自分で自分の始末をつけられる人であることが
これからの時代にとっても必要なものだと思うからね。
時代に勢いがあったころの人たちに共通しているのは、
これじゃないかと思うんだ。
夢を形にできるもの、自分を信じる力、
自分力があればこそ。
そしてそれは、時計の針をもどさなくとも、
今から出来る事でもあるね。
それじゃまた、
あした、この場所で。